日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
症例報告
選択的血漿分離器を用いたビリルビン吸着の試み
前田 智美村中 晋也望月 慶子川久保 芳文横山 武志
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2015 年 6 巻 2 号 p. 153-155

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抄録

ビリルビン吸着では血漿分離器の性能限界や溶血の発生およびフィブリン析出により,治療効果が得られないことがある。今回,選択的血漿分離器Evacure EC-4A(川澄化学工業製)を用いて,安定したビリルビン吸着ができた症例を経験したので報告する。70歳代女性の多臓器不全に対して,一次膜に選択的血漿分離器EC-4Aを用いてビリルビン吸着を施行し,総ビリルビン(T-Bil),フィブリノーゲン(Fib),血小板(Plt)の変動を経時的に評価した。治療回数は7回(血漿処理量:30L/回)で,治療後のT-Bil低下率は平均53.6%であった。Fib,Pltの変動はそれぞれ−22%から+22%,−15%から+31%であった。EC-4Aを用いることで,安定したビリルビン吸着が可能であった。

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© 2015, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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