日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
症例報告
経尿道的腎結石砕石術後の敗血症性ショックに対して血液浄化療法を中心とした集学的治療により救命した1例
佐藤 竜太渡辺 大鈴木 駿太郎岩崎 和範山中 直行溝口 晋輔織部 智哉篠原 麻由香髙橋 美香甲斐 友喜羽田 真郎澁谷 忠正安藤 忠助森 健一野村 威雄佐藤 文憲三股 浩光
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2015 年 6 巻 2 号 p. 156-159

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抄録

血液浄化療法を中心とした集学的治療により救命した経尿道的腎結石砕石術後に敗血症性ショックをきたした1例を経験したので報告する。症例は62歳女性。子宮頸癌に対し放射線療法の既往があり,膀胱腟直腸瘻を発症して右尿管皮膚瘻であった。次第に増大する右腎結石を認め,加療目的に当科紹介となった。2015年1月,経尿道的腎結石砕石術を施行。術直後より発熱と血圧低下,血小板低下を認め,敗血症性ショック,DICと判断し昇圧薬,トロンボモジュリン投与を開始。術後1日目に腎機能悪化,無尿となったためCHDFを開始。術後2,3日目にエンドトキシン吸着療法を行った。次第に状態改善し,術後14日目にCHDF終了。その後の経過に問題なく,術後34日目に退院となった。経尿道的腎結石砕石術後の急性腎盂腎炎は重症化することがある。本症例のように敗血症性ショック,DICをきたした際には薬物療法に加えて血液浄化療法の早期の導入が救命に重要である。

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© 2015, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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