日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
症例報告
偶発性低体温に対して血液透析を用いた体内復温の3症例
神戸 幸司小田 佳史宮地 裕之細野 ひかる小栗 早智森 祐哉丸岡 由衣土井 麻由美黒川 大樹浦濱 善倫大石 秀人長谷川 俊典
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2018 年 9 巻 2 号 p. 121-124

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抄録

今回偶発性低体温に対して血液透析にて復温した3症例を経験した。症例は,70~80歳代の男性。重症度は,軽度から重篤であった。軽度症例に対して,体外復温法を施行しながら早期改善を目的として,血液透析にて2.0℃/hr上昇を目安に体内復温法を併用した。2時間目にて全身発汗,不整脈,意識消失などのショックを生じた。この症例を踏まえ最重症例では,急速な復温による心室細動惹起などのリスクを避けるため透析液温を34℃,血液流量80mL/minから開始し直腸温30℃,意識改善を目安に終了した。サーモグラフィーFLIR i3(フリアーシステムズ社)を用いて脱血・返血側回路温を測定し,的確に透析液温を変更しながら管理した。復温による副作用の予防に,復温速度と慎重な体温管理が必要と思われた。

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© 2018, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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