日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
原著
AN69ST膜ヘモフィルターを用いた持続的血液濾過透析におけるメシル酸ナファモスタット投与部位および投与量の検討
松澤 圭吾渡邉 正太加藤 忠介五十嵐 利博湯澤 紘子木村 友則小口 萌近藤 乾伍貞広 智仁
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2018 年 9 巻 2 号 p. 116-120

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抄録

AN69ST膜ヘモフィルターを用いた持続的血液濾過透析(CHDF)におけるメシル酸ナファモスタット(NM)投与部位および投与量の検討を行った。NMをヘモフィルターの前から投与した症例をA群,NMをヘモフィルターの前後で投与した症例をAV群として比較した。両群に共通して脱血側に対して送血側のACT値が延長せず,A群では回路凝固を認めた8回中6回,AV群では9回中6回,静脈側チャンバーの凝固を認めた。AV群と比較してA群では静脈側チャンバーの回路凝固による回路圧変化がより大きく認められた。A群とAV群で回路凝固に差がなかった理由としてAN69ST膜ヘモフィルターはNMを吸着するが,膜に対して一定の抗凝固効果を発揮する可能性がある。また,NMの後投与の増量は回路凝固を減少しうる可能性があるが,コストベネフィットを考慮した,さらなる検討が必要と考えられた。

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© 2018, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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