2018 年 9 巻 2 号 p. 71-91
生体拡散装置(Vividiffusion Apparatus)は,拡散によって動物血液から透析液へ溶質を移動させることができる。ヒルジンを用いて血液の凝固を防ぎ,コロジオンチューブを通して動物の血液を体外に循環させる。分子量の小さい物質は拡散により除去されるが,タンパク質などの大きい分子量の物質はコロジオン膜を透過しない。Kolff WJがKolff Kidney(Rotating Drum Kidney)を作ろうとしたとき,運良く優れた透析膜(セロファン)と,信頼性が高く無毒な抗凝固薬(ヘパリン)が入手できた。臨床用途に十分な性能を有するKolff Kidneyを開発するためには,セロファンチューブ膜に閉じ込めた少量の薄層血液を,閉鎖系で広い膜表面に循環させる必要がある。さらに,Kolff Kidneyにおいて,血液および透析液は十分に混合した状態で流れるようにしなければならない。臨床使用に耐えるKolff Kidneyが,オランダのエンジニアBerk H Th Jと協力して,1942年に開発された。Kolff Kidney,Kolff-Brigham Kidney,Orange Juice Kidney,Tank Kidneyについて,この特別寄稿で概説する。