日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
総説
小児敗血症ガイドラインの動向
三浦 健一郎服部 元史
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2018 年 9 巻 2 号 p. 92-98

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抄録

小児の敗血症管理に関する国際的なガイドラインにはSurviving Sepsis Campaign Guidelines(SSCG)2012やAmerican College of Critical Care Medicine(ACCM)のガイドライン(2014年)などがあり,本邦からはJ-SSCG 2016が刊行されている。本稿では,これらをもとに,小児敗血症,敗血症性ショックに対する輸液による初期蘇生,血液浄化療法の適応について概説する。小児領域では敗血症,敗血症性ショックの定義が明確ではなく,この分野におけるエビデンスも乏しいため,各ガイドラインにおけるステートメントはほとんどが弱い推奨または推奨なしとなっている。今後,まず小児における臓器障害の評価システムの構築と検証によって敗血症の定義を明確化することが必要であり,それに基づいた知見の集積が望まれる。

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© 2018, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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