日本生物学的精神医学会誌
Online ISSN : 2186-6465
Print ISSN : 2186-6619
勤労者における運動療法の可能性:うつ病の予防から治療,社会復帰まで
堀 輝杉田 篤子香月 あすか吉村 玲児中村 純
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ジャーナル オープンアクセス

2015 年 26 巻 1 号 p. 64-68

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抄録

我が国の病院を受診するうつ病患者数が増加している。うつ病治療においては精神療法,薬物療法,環境調整などが行われるが,寛解率は決して高いわけではない。さらに,たとえ寛解に至り職場復帰したとしても,再休職率も高いことが知られている。つまり現在の治療に加えて非薬物療法の役割が期待されている。その中で運動療法における役割は大きい。うつ病治療における運動療法はノルアドレナリン神経系を介して精神症状の改善,活動性の維持によって就労の継続に寄与する可能性がある。またうつ病予防という観点から運動療法の役割も大きいとされ,抑うつ状態の軽減,睡眠リズムの改善効果が期待されている。

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© 2015 日本生物学的精神医学会
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