抄録
うつ病は社会生活に甚大な障害を及ぼす common disease であるが,臨床症状にもとづく診断の一致率は必ずしも高くない。早期発見と治療導入を促進する診断マーカーの確立は,急務の課題である。これまでに研究レベルで血液を用いたうつ病の生物学的指標の探索は数多く行われてきたが,客観的なうつ病の血液診断マーカーはいまだ確立されていない。我々は,DNA メチル化修飾ならびに遺伝子発現に注目したうつ病の診断マーカーの探索を行い,いずれにおいても,うつ病患者群と健常対照者群の弁別において良好な結果を得たため,本稿で紹介する。