脳画像解析が発展するにつれ,統合失調症では,帯状回前部,内側前頭前野,下前頭回,側頭葉,海馬,扁桃,視床,島回といった領域が萎縮することが知られてきている。現在,これらの知見を用いて構造MRIで統合失調症と健常者を判別しようとする試みが行われてきている。黎明期には,マニュアルトレーシングと多変量解析での判別であったが,現在の主流は,ボクセル・ベース・モルフォメトリーや皮質厚解析といった自動化がなされているソフトウェアによりデータを抽出し,その後,データを機械学習によって特徴量を抽出するというものである。現在,70〜90%の判別率は得られているが,臨床応用はまだなされていない。普及のためには,簡便な前処理法を確立すること,MRIスキャナーの差を最小限にできること,また,ほかの検査との適切な組み合わせを見いだしていくことが必要である。