日本生物学的精神医学会誌
Online ISSN : 2186-6465
Print ISSN : 2186-6619
神経可塑性からうつ病を考える
中川 伸
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ジャーナル オープンアクセス

2017 年 28 巻 1 号 p. 27-31

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抄録
うつ病の病態・治癒過程は発症,急性期症状,反応,寛解,再燃,回復,再発など動的なものであり,神経可塑的な変化が想定しやすい。一方,病的な状態における可塑性とは異なる正常なしなやかさである「レジリエンス」を考慮することは,うつ病の予防,軽症のうつ病の状態を考えるときに有用であると思われる。本稿では生理学的なストレス反応として惹起される視床下部─下垂体─副腎皮質系を中心として,その神経可塑性の動き,破綻,養育環境による変容などを概説する。
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© 2017 日本生物学的精神医学会
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