日本生物学的精神医学会誌
Online ISSN : 2186-6465
Print ISSN : 2186-6619
霊長類前頭前皮質に局在したSLIT1の発現と生後発達変化
佐々木 哲也小松 勇介山森 哲雄
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ジャーナル オープンアクセス

2019 年 30 巻 2 号 p. 81-85

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抄録
前頭前皮質は,計画・注意・意思決定などの認知機能に重要な役割を果たし,精神疾患ではその変調が生じる。我々は旧世界ザルの領野間で発現量が顕著に異なる遺伝子の探索を行った。軸索誘導因子SLIT1の発現を成体マカクザル大脳皮質組織上でin situ hybridizationを用いて解析した結果,SLIT1が前頭前皮質の3〜4層に強く発現していることを見いだした。これらのニューロンは,SLIT1と受容体ROBOを共発現しており,軸索誘導作用とは異なるSLIT1の役割が示唆された。
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© 2019 日本生物学的精神医学会
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