抄録
本論文では,ChatGPT により,認知症高齢者との対話を生成し,その有用性と課題を検討した。軽度認知障害(MCI)から中等度認知症までの高齢者と孫娘の会話,認知症でない高齢者と共感的対応の訪問看護師と非共感的対応の訪問看護師との対話シナリオを作成し,ChatGPT により会話を生成した。さらに,その作成した会話について専門家による評価を行った。その結果,ChatGPT は認知症の進行度に応じた応答変化をある程度再現できた。また,支援者側の対応についての共感性の程度についてもある程度差異をつけることができることが示唆された。今後,教育や支援に応用できる可能性が示唆されたが,一方で,実用化に向けた課題として,個人情報の保護,専門家の監修,倫理的・法的検討の必要性があることが明らかとなった。