抄録
肝疾患時の肝酵素活性の変動はSchmidt1), 織田2) により詳細に検討されているが, 著者らは肝障害時の代謝調節という立場から, 生検肝組織の解糖, 糖新生系律速酵素活性の測定を行ない, 慢性肝炎活動型及び肝硬変例においてglucokinase (GK), glucose 6-phosphatase (G 6 Pase) 活性の低下と, 逆にhexokinase (HK), glucose 6-phosphate dehydrogen. ase (G 6 PDH) 活性の増加を認めた3). これら酵素活性の肝疾患における変動の意義を明らかにする為主としてCCl4を用いた急性肝障害ラットについて同様の酵素活性並びに各分子種を分離測定した.
