臨床化学シンポジウム
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A-7. ラット再生肝及び肝癌におけるポリヌクレオチド-リガーゼ
塚田 欣司伊東 信行
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1972 年 11 巻 p. 36-40

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抄録
Polynucleotide ligaseは, 二重鎖のDNAの3'-OH末端と, それに隣接する他方のDNA鎖の5'-P末端を結合させ, 3'-5'-phosphodiester結合を形成する反応を触媒する酵素で, T2, T4及びT7等のbacteriophageで感染した大腸菌ではATPを1-3), 又, 非感染菌ではNADを補酵素として要求することが知られている4-9). 最近Lindahl and Edelmanは, ウサギの骨髄にこのligase活性の存在することを認め, その酵素を部分的に精製して, 補酵素としてATPのみを要求することを報告している10). 動物におけるこのligaseの存在意義は, 全く不明であるが, 我々は再生肝及び発癌物質であるN-2-fluorenyl-acetamide(2-FAA)を投与して誘発させた肝癌について, このligaseの活性を測定し, 正常肝に比べて数倍に増加していることを認め, その意義について, DNA合成との関連の上から検討した.
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© 日本臨床化学会
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