臨床化学
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グルコキナーゼを利用したマグネシウムの酵素的測定法
白石 登業鈴木 裕史越智 尚川原 一恵近藤 仁司永田 和彦冨田 耕右
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1991 年 20 巻 1 号 p. 37-41

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抄録

Bacillus stearothermophilus由来のグルコキナーゼ (GlcK) を用いた血清マグネシウム (Mg) 測定用試薬を構築した。測定原理はGIcK活性が [Mg・ATP]2- 複合体の量に依存していることにあり, Mg濃度としてはG-cKとグルコース-6-リン酸脱水素酵素との反応に起因する340nmの吸光度増加速度として定量することができる。この分光学的方法は非常にシンプルで迅速であり, 日常の臨床検査に供しえる実用的な方法である。GlcK法は発色法であるキシリジルブルー法にくらべてMgイオンに対する特異性に優れ, また10℃において約1ヵ月間安定という極めて良好な保存性も有していることが判った。さらに乾式, 湿式による灰化実験, 原子吸光法との相関実験, NBS標準血清の測定結果などから本GlcK法はイオン型, タンパク結合型の両方を測定しているものと考えられた。

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