抄録
クレアチンキナーゼのMM3アイソフォームを阻害し, MM1アイソフォームを阻害しないモノクローナル抗体CKM-G01を用いて免疫阻害法による新しい測定用試薬の組成, 測定条件および性能を検討した。
本試薬は抗体濃度100mg/lで12000U/lのMM3を99%以上阻害し, 阻害に必要な時間は37℃で3分間であった。患者血清の希釈直線性は阻害後の残存活性で3500 U/ーまで認められた。その同時および日差再現性はおのおのCV≤3.1, 1.8%であった。共存物質による阻害への影響は認められなかった。「阻害される活性/阻害されない活性」で表したアイソフォーム比と電気泳動法によるMM3/MM1との相関係数はr=0.988と良好な相関を示した。また採血後のアイソフォーム間変化は, EDTA加血漿または血清の冷蔵保存では認められなかった。以上のことから免疫阻害法に基づく新しいCKアイソフォーム測定法を確立した。