臨床化学
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小児血清酵素活性9項目の基準値
杉田 収和田 玲子松井 朝子橋本 尚士広川 恵子屋形 稔岡田 正彦
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キーワード: 血清, 酵素清性, 基準値, 小児, 加齢
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1991 年 20 巻 2 号 p. 59-66

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抄録
病院の外来で受診した20歳以下の新患患者の約1400名から, 血清酵素活性9項目の基準値 (正常値) を作成した。基準値作成用試料として患者血清を用いることの危険性を考慮し, 別に小児科患者から健常者らしき者224名を選択して両者のデータを比較した。同様に健常小中学生の338名から作成した基準値とも比較した。
その結果, 新患患者からの基準値はクレアチンキナーゼ以外はほぼ健常小児のそれに近似し, 実際の診療に利用しうるものと考えられた。したがって, 求めようとする検査項目の基準値に大きく影響を与える疾病が少なければ, 次善の策として, 外来新患患者集団であっても, その血清は基準値作成用試料として利用しうるものと考えられた。また10歳前後からGPT, LDH, γ-GTPに危険率1%で有意な性差の認められた点が注目された。
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© 日本臨床化学会
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