1991 年 20 巻 4 号 p. 230-234
アルコール性肝疾患のリスクマーカーとしてのアルデヒドデヒドロゲナ平ゼ (ALDH2) 遺伝子型の direct chemiluminesenceを用いた高感度で簡便な測定系を確立した。ビオチン標識プロ-ブ, 温度勾配competitive dot blot hybridization, 3-(2'-spiroadamantane). 4-metoxy-(3'-phosphoryloxy) phenyl-1, 2-dioxetane (AMPPD) 1, 2) を用いた。検出感度は末楕血DNA6.25ngであった。日本人のアルコ平ル性肝疾患例, および, 健常コントロールに対するALDH2の遺伝子解析を行った結果, 前者では正常型ホモ接合体が大部分 (正常型遺伝子頻度=0.95) で, ヘテロおよび変異型ホモ接合体はアルコール性肝疾患に対するリスクが低いことが示された。本測定系は, RI管理区域を必要とせず日常検査として平般の検査室に導入可能であると同時に他の遺伝子の点突然変異鋤の検出に応用が期待される。