抄録
遺張子組換えG-CSF (KW-2228) 製剤を投与したときに血清中に産生される可能性のある抗 KW-2228抗体および抗大腸菌タンパク質 (ECP) 抗体の測定法として, enzyme-linked immunosorbent assay法を確立した。
本法は, マイクロプレートに抗原を吸着させたものを固相とし, 標識体にはペルオキシダ-ゼで標識したプロテインAを用いる間接法である。本法により, KW-2228を投与したサルの血清抗体価を測定したところ, 投与後産生された抗KW-2228抗体が検出された。正常人15例に対する単回投与試験では, 抗KW-2228抗体価はすべて陰性であった。ヒトの抗ECP抗体価はすべて陽性であったが, 投与前後で抗体価の経時的変動はなく, 正常人血清中にはECPに対する抗体の存在することが示唆された。本法は, 高感度で精度が高く, 特異性に優れ, KW-2228製剤投与後の抗体産生の確認法として有用と考えられた。