臨床化学
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ビリルビンのジアゾカップリング反応に関する研究
鈴木 優治坂岸 良克
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1992 年 21 巻 1 号 p. 30-42

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抄録
ビリルビンのジアンカップリング反応と反応中に生成する中間体に関して種々のジアンニウム塩を用いて検討した。
この反応では, 反応中に水-クロロホルムにより安定な状態で抽出分離される反応中間体が生成した。この物質はビリルビンと類似の色調を有していたが, 酸化処理によりビリベルジンを生成せず, ビリルビンとの違いを示した。しかし, ジアンニウム塩とは徐々に反応し, アンビリルビンとアルデヒドを生成した。これらの結果と核磁気共鳴スペクトル (NMR) の解析から反応中間体はジピロールであると推定された。ビリルビンのジアゾカップリング反応では, ビリルビンの開裂によりアンビリルビンと反応中間体が生成し, ついで, 反応中間体がさらにジアンニウム塩と反応し, アンビリルビンとアルデヒドを生成すると推定された。
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© 日本臨床化学会
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