臨床化学
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糖化による血清リポタンパクの変化 (I)
コレステロールエステルの転送とリポタンパクの変化について
有末 一隆佐伯 修一櫃本 泰雄近藤 雅臣武内 望
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1992 年 21 巻 3 号 p. 194-202

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抄録
糖尿病ではしばしば血清高比重リポタンパク (HDL) が低下するため, 種々の検討が加えられてきたが, なおいくつかの疑問点が残されており, 十分な解明が行われているとはいえない。
したがって近年HDL代謝に大きな影響を与えていることが推定されているHDLのコレステリルエステル (CE) 転送の作用をリポタンパクの糖化の面より検討した。
血清中でCEの受容体である超低比重リポタンパク (VLDL) と供与体のHDLを含むd>1.063画分を糖化し, それぞれの非糖化画分と組み合わせ, いずれの画分の糖化がCE転送に影響を与えるかをin vitroで検討した。その結果, d>1.063画分の糖化がHDLよりのVLDLへのCE転送を促進することが認められた。
CEの転送の促進が実際にHDL濃度に変化を与えるかを調べるため, 血清をブドウ糖とともに孵置して糖化し, リポタンパクを超遠心法で画分した。このように糖化によりHDL濃度は低下したが, HDLの亜画分のHDL3にはほとんど変化はなく, HDL2の減少がみられた。
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© 日本臨床化学会
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