抄録
血清を37℃で70時間孵置すると高比重リポタンパク (HDL) 中のコレステロール (Ch), リン脂質が減少し, トリグリセライド (TG) が増加した。またブドウ糖を加えて孵置するとChやリン脂質はさらに低下し, HDL濃度も減少した。
HDL2では孵置後TGが増加するのみであったが, ブドウ糖の存在によりさらにTGが増加し, その他の成分はいずれも減少してHDL2濃度は減少した。HDL3画分は孵置後TGを除く他の成分が減少し, HDL3も低値となったが, ブドウ糖の添加によって差を生じなかった。
d>1.21画分のChは孵置後減少し, TGとリン脂質は増加したが, アポタンパクはC-IIIを除いては明らかな変化はみられず, ブドウ糖の添加によっても変化を生じなかった。
したがってin vitroにおけるHDLに対する糖化の影響は主としてHDL2の減少であり, Chエステルの転送の増加が関与していると思われる。またHDLの減少は単にリポタンパクの脆弱化によるものでないといえる。