臨床化学
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糖化による血清リポタンパクの変化 (II)
in vitroの糖化によるHDL組成の変化について
有末 一隆佐伯 修一櫃本 泰雄近藤 雅臣武内 望
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キーワード: 糖化, HDL, 脂質, アポタンパク
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1992 年 21 巻 3 号 p. 203-209

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抄録
血清を37℃で70時間孵置すると高比重リポタンパク (HDL) 中のコレステロール (Ch), リン脂質が減少し, トリグリセライド (TG) が増加した。またブドウ糖を加えて孵置するとChやリン脂質はさらに低下し, HDL濃度も減少した。
HDL2では孵置後TGが増加するのみであったが, ブドウ糖の存在によりさらにTGが増加し, その他の成分はいずれも減少してHDL2濃度は減少した。HDL3画分は孵置後TGを除く他の成分が減少し, HDL3も低値となったが, ブドウ糖の添加によって差を生じなかった。
d>1.21画分のChは孵置後減少し, TGとリン脂質は増加したが, アポタンパクはC-IIIを除いては明らかな変化はみられず, ブドウ糖の添加によっても変化を生じなかった。
したがってin vitroにおけるHDLに対する糖化の影響は主としてHDL2の減少であり, Chエステルの転送の増加が関与していると思われる。またHDLの減少は単にリポタンパクの脆弱化によるものでないといえる。
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© 日本臨床化学会
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