抄録
妊婦尿中エストロゲンの簡便な蛍光定量法を酵素加水分解およびKober反応を応用して考案した。本法は, 妊婦尿中エストロゲンの主成分であるエストリオール抱合体の加水分解をリンゴ貝由来のβ-グルクロニダーゼを用いて5分間で完結させ, 遊離したエストロゲンをジクロロメタンで抽出乾固, キノール硫酸液で反応後, 生成物質を抽出し, エストリオールを標準としてエストロゲンの蛍光定量を行うものである。
本法の回収率, 同時再現性, 直線性および他法との相関は良好な結果となり, 臨床検査に有用であると考えられた。