臨床化学
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新炭素素材電極を用いる血清中の乳酸脱水素酵素およびα-ヒドロキシ酪酸脱水素酵素活性の測定
木下 英明須田 吉久川窪 隆昌臼井 敏明池田 篤治
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1993 年 22 巻 3 号 p. 185-189

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抄録

新炭素素材を使用した電極 (PFC電極) を用いると, グラッシーカーボン電極のような従来の電極を使用した場合に比べて, NADH (デヒドロニコチンアミドアデニンディヌクレオチド) の酸化電流を再現性よく, 数100mV低電位で測定できた。透析膜を被覆したPFC電極で測定した定常状態での電流値は, NADH濃度と5-1500μmol/lの間で直線比例した。350μmol/lのNADH溶液を5回測定したときのCVは3.1%であった。NADH (350μmol/l) およびピルビン酸 (2mmol/l) あるいはα-ケト酪酸 (4mmol/l) を含むトリス緩衝液 (pH7.5) に血清を1/15濃度になるように添加し, 酵素反応に伴うNADHの滅少を400mV下での電流値の減少として測定した。本法によって乳酸デヒドロゲナーゼ (LDH) およびα-ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナ-ゼ (HBD) の活性を求めたところ, それらの活性値はUV法による値との相関係数がそれぞれn=15でr=0.993および0.999で両者はよく一致した。

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