臨床化学
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ρ-ニトロフェニルβ-D-ガラクトシルーα-マルトオリゴシドを基質に用いたアミラーゼ測定法
永松 剛白波瀬 泰史渡津 吉史兼田 喜明小川 浩一中村 信之
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1993 年 22 巻 4 号 p. 258-266

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抄録
ヒトアミラーゼ活性測定用基質として, ρ-ニトロフェニルβ-D-ガラクトシル-α-マルトオリゴシド (Gal-GnPNP, n=4-7) を用いた測定方法について検討を行った。
Gal-GnPNPにはガラクトースがβ-1, 4結合したI型 (Gal-GnPNP-I, n=4-7) とβ-1, 6結合したII型 (Gal-GnPNP-II, n=4-7) があり, ヒトアミラーゼの測定にはGal-GnPNP-I (n=4-7) が臨床検査に適していると考えられる。そのうち, Gal-G5PNP-Iは, G5法とP/S比が等しくなるpH (pH7.3) で, 唾液型アミラーゼ, 膵臓型アミラーゼの両アイソザイムともほぼ最大活性で測定できた。
Gal-G5PNP-Iを用いたヒトアミラーゼ測定用試薬は, 反応性, 水解部位, 反応経過, 同時再現性, 共存物質の影響, 相関性などの基本的な性能評価で良好な結果が得られ, 臨床検査における日常検査でヒトアミラーゼ活性測定法として有用であると考えられる。
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© 日本臨床化学会
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