1994 年 23 巻 1 号 p. 26-31
われわれはポリアクリルアミドディスクゲル電気泳動分析後, デンシトメトリーで測定を行う骨型ALPの精密測定の検討を行った。本法の同時再現性は2%以内で, 20mU/mlまで測定が可能であった。セルロースアセテート膜 (CA) 電気泳動法との相関も良好であったが, 本法ではCA電気泳動法よりも肝臓と骨型ALPの分離が明瞭となるため, デンシトメーターで測定するとCA法よりも骨型ALPが正確に検出されることがわかった。さらに, 男女68例の基準範囲を求めたところ, 53±36.6mU/mlであった。この結果は先に報告した小麦胚芽レクチンを用いた親和性電気泳動法の結果に類似していた。骨型ALPの精密測定は骨疾患での骨代謝マーカーとして有用であると思われた。