臨床化学
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イヌリンの酵素的測定法
杉田 収富山 八重松戸 隆之岡田 正彦下條 文武荒川 正昭高橋 正光渡津 吉史兼田 喜明
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1994 年 23 巻 2 号 p. 164-169

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抄録
イヌラーゼ (EC3.2.1.7), フルクトキナ-ゼ (EC2.7.1.4), ホスホグルコイソメラーゼ (EC5.3.1.9), グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ (EC1.1.1.49) の各酵素を使用し, イヌリンを定量した。本法は従来のイヌリン測定法であるアンスロン法に比べ, ブドウ糖やフルクトースの影響を受けず, また他の酵素的測定法と比較しても, 迅速に, かつ簡便にイヌリン定景が可能であった。
本法での検量線は, イヌリン濃度の2g/) まで, 原点をとおる直線性が得られた。同時測定の再現性は, 変動係数で1.1~2.3%であった。また血清および尿へのイヌリンの添加回収試験はいずれも, おおむね良好であった。
糸球体濾過値の本法 (Y) とチオ硫酸ナトリウム法 (X) との相関関係はr=0-9785, y=0.8902x-0.92 (n=37) であった。
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