臨床化学
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血清ビリルビンの熱および光安定性について
森下 芳孝中根 清司深津 俊明
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1994 年 23 巻 2 号 p. 170-177

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抄録
種々のビリルビン濃度の患者血清を用いて保存温度を-20℃, 4℃, 室温 (25℃), 37℃と変化させ, また, 光照射または遮光下で1週間にわたってビリルビン値への影響を調べた。
保存温度の上昇や保存日数の増加に伴い総ビリルビンおよび直接ビリルビンは低値を示した。しかし, おのおのの減少の程度は一定ではなく, 室温ではdiconjugated bilirubin (dBc), monoconjugated bilirubin (mBc), δ-bilirubin (Bδ) が減少するのに対してunconjugated bilirubin (Bu) は相対的に増加し (ρ<0.05), 直接ビリルビン値/総ビリルビン値の比は経日的に低値を示した。
光照射下では急激に総ビリルビン, 直接ビリルビンは低値を示し, また, 直接ビリルビン値/総ビリルビン値の比は経日的に増加を示した。光照射によって生じるフォトビリルビンの多くはBu由来成分であり, かつ水溶性を有することが確認された
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© 日本臨床化学会
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