臨床化学
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Rheumatoid arthritis患者における関節液ミエロペルオキシダーゼ, 血漿エラスターゼに関する研究
徳永 賢治菅野 和久土居 修越智 正昭宍野 宏治村瀬 光春佐伯 修一武内 望
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1994 年 23 巻 3 号 p. 209-213

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抄録
免疫異常を示す疾患として慢性関節リウマチ (RA) は, 病因的本態に不明の点が多い。RAの関節には多数の好中球が浸潤し, しかも活性酸素産生能が元進している。好中球が活性化されると活性酸素および細胞内のエラスターゼ, ミエロペルオキシダーゼが放出されることが考えられるため, RA患者でのこれらの酵素活性を測定した。血漿エラスターゼ量はRA患者では変形性関節炎患者 (OA) よりも有意 (ρ<0.001) に高値であった。関節液中ミエロペルオキシダーゼ活性値はグアヤコール法を用いてfixed-timerateassayで測定し, RA患者はOA患者よりも有意 (p<0.02) に高値であった。これらの結果からRA患者では好中球の活性化により活性酸素, 細胞内酵素が放出されて, それらは互いに反応して組織障害に相乗的に作用し, RAの病態を悪化するものと推測した。
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© 日本臨床化学会
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