臨床化学
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皮膚石灰沈着症の石灰化物質の解析
今野 稔桔梗 辰三安東 和人会田 嵯武朗村石 修一井上 達也
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2003 年 32 巻 3 号 p. 249-254

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抄録
皮膚石灰沈着症の患部から採取ないしは摘出された石灰化物質について分析した。X線回折スペクトル測定により全例ともハイドロキシアパタイト結晶の可能性が第一に推定されたが, 炭酸カルシウム結晶の存在は否定された。しかし, 赤外線吸収スペクトルおよびラマン分光スペクトルの測定成績からはリン酸カルシウムと炭酸カルシウムの混合物と考えられた。炭素分析により炭酸塩の存在が認められ, 炭酸カルシウムの存在が肯定された。したがって, リン酸カルシウムはハイドロキシアパタイト結晶として存在するが, 炭酸カルシウムは結晶化せずに非晶性状態で存在しているものと結論した。
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© 日本臨床化学会
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