2020 年 1 巻 J1 号 p. 339-348
材料表面の超音波の波動伝搬を可視化したものはWavefieldデータと呼ばれる.レーザー走査等によって,超音波の伝搬の様子を短時間に可視化できる技術が開発されてから,このWavefieldデータは非破壊検査での利用が進んでいる.このとき,可視化結果から欠陥の有無を自動で判定できれば,Wavefield検査は現場に普及することが期待される.本研究では,ディープラーニングの1つである畳み込みニューラルネットワークを用いて,Wavefieldデータから欠陥を検出するシステムを開発することを目的する.非破壊検査において,学習用データとして実際の欠陥からのWavefieldデータを大量に収集するのは容易ではないため,ここではシミュレーションを援用して学習用データセットを作成した.本論文では,シミュレーションデータを用いて学習用データを増やすことの効果について検討を行った.