2020 年 1 巻 J1 号 p. 359-364
近年,橋梁のライフサイクルコスト低減は非常に重要な課題となってきている.維持管理費において防食・防錆コストが占める割合が高いため,その費用対効果から新設橋梁の15%以上に耐候性鋼が使用されるようになってきている.耐候性鋼橋梁の維持管理には腐食状態の調査が重要であり,一般的には熟練した技術者による目視による外観検査が行われている.しかしながら,目視外観評価には調査者によるばらつきが生じる恐れがあるため,簡便で精度の良い客観的な評価方法が望まれている.そこで本研究では,耐候性鋼橋梁のさび外観評価に対する接写画像と深層学習(畳み込みニューラルネットワーク)を用いたさび状態の定量的評価に関する検討を行った.検討の結果,提案手法は実務にも適用可能性があると考えられることを示した.