2020 年 1 巻 J1 号 p. 41-47
AIが導入されることにより業務や働き方に変化が起こると考えられている.例えば,工場における検査が画像認識技術を利用して代替される,また,Q&Aなどのコールセンター業務がチャットボット的な支援を利用して効率化されるなどが言われている.土木構造物の維持管理で言えば,点検における目視検査がドローンで代替されるなどの論点がよく言われている.これらの論点は,AI技術が導入されることでいかに生産性を向上できるかという論点であると言える.しかし,AIの導入は既存の業務を代替するだけでなく,変化するものは,「業務」「業務範囲」「業務効率・生産性」「仕事に対する意欲」など多様であると想定されている.本研究では,AIの導入によりインフラ維持管理業務がどのように改革されるかのコンセプトについて整理するものである.