2021 年 2 巻 J2 号 p. 103-112
橋梁の損傷が加速していくことが推察される中で,効率的な点検に基づく維持・管理が求められている.鋼橋の点検支援として機械学習の1つである畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を適用することは,有効性が高い方法の1つと考えられる.CNNでは画像そのものを分類する方法や画像内の物体が占める領域を識別する手法がある.とくに,画像内においてピクセル単位で腐食検出を実施するには計算コストが高く,このような手法は点検技術者が現場で利活用することは現時点において難しい.このことから,本研究では点検技術者が現場において腐食検出とその広がりを把握できることを考慮するため,CNNによる腐食検出を実施し,引き続き計算コストの低い二値化を用いた画像処理を利用した画像中の腐食割合を算出する一連の手法を検討し,その結果を評価した.