AI・データサイエンス論文集
Online ISSN : 2435-9262
リカレントニューラルネットワークを用いた複数の気候変動データに基づくダム湖水温予測
木村 延明石田 桂皆川 裕樹福重 雄大馬場 大地
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ジャーナル オープンアクセス

2021 年 2 巻 J2 号 p. 157-164

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抄録

本研究は,リカレントニューラルネットワーク(RNN)を用いて複数の大気大循環モデル(GCM)の気象データを入力としてダム湖の表層水温予測を行ったものである.将来の気候変動に強く影響を受ける中緯度地域に位置する北海道のダム湖を対象に,現地観測データ(気温と水温)で学習させたRNNを用いて,対象地域に力学的ダウンスケーリングした過去・将来(シナリオRCP8.5)の気候変動データに基づき,ダム湖の表層水温の予測を行った.過去と将来の各GCMの気温データの差異は,将来気温の方が月毎の平均値で2~4℃上昇し,RCP8.5の効果を確認できた.この気温の差異は,RNNで予測された水温の差異と概ね同様な上昇傾向(月毎の平均値の差分で0~1℃)を示した.但し,春季と夏季の一部において,過去気温で予測された水温値の方がやや高めの傾向を示した.

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© 2021 公益社団法人 土木学会
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