2022 年 3 巻 J2 号 p. 898-905
山口県のコンクリート構造物の品質確保システムにおけるコンクリート施工記録を用いた機械学習により,各リフトに発生する温度ひび割れの最大ひび割れ幅を予測する機械の精度向上を目指した.ひび割れが発生しなかったリフトのひび割れリスクが分布していることに着目し,温度応力解析によりひび割れリスクを定量化し,使用するデータを絞り込むことにより,機械の精度が向上することが確認された.山口県の品質確保システムの運用開始当初のデータに,施工の基本事項の遵守が浸透していなかった可能性を示唆するものが含まれており,これらを除去することで機械の精度が向上した.構築した機械を用いて,いくつかのひび割れ抑制対策の効果を分析した.