2023 年 4 巻 2 号 p. 114-120
少子高齢化が進む日本においては,コンパクトシティ計画等の時代に合った都市計画を推進する必要がある.我々は大阪府の人流分析を中心に,都市計画シミュレーションに結びつく都市のデジタルツイン化を推進している.本研究では,駅数・バス停数の都市空間属性と到着人流データを統合して,大阪府を対象にH3六角形グリッド区域についての地理的類似検索を試みた.類似検索には,分散表現学習で作成した埋め込みベクトルを用いた.実験では,JR大阪駅を含むH3区域と人流+都市空間属性が似た特徴の地理的区域は,隣接するグリッド区域や,関西国際空港のグリッド区域であることが示された.また,都市部区域と町村部区域の人流+都市空間属性データから,その中間的特徴を持つ区域を,埋め込みベクトルの加算演算で特定した.