AI・データサイエンス論文集
Online ISSN : 2435-9262
GISデータを使用した夜間の鉄道用レール温度予測法の開発
浦川 文寛渡辺 勉
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ジャーナル オープンアクセス

2023 年 4 巻 3 号 p. 425-434

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抄録

軌道座屈防止のためには高温時(夏季の昼間)だけでなく,低温時(冬季の夜間)のレール温度予測が重要である.地物の発する放射熱がレール温度に及ぼす影響を明確化し,レール温度管理に反映させるため,GIS数値標高データと気象条件から放射熱を詳細にモデル化し,夜間のレール温度分布をおおよそ1 m間隔で解析的に予測する手法を新たに提案した.提案手法の精度検証のため,実軌道にてレール温度とレールが受ける放射熱の線路長手方向の分布を測定した.その結果,建物が近接する測点では放射熱が大きく,他測点よりも最低レール温度が約2 °C高くなる等,建物の配置,放射熱,およびレール温度の間に明確な相関性が認められた.また,提案手法により,実軌道における夜間のレール温度分布を精度良く再現できることを確認した.

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© 2023 公益社団法人 土木学会
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