AI・データサイエンス論文集
Online ISSN : 2435-9262
合成開口レーダ衛星データを用いたJAXAにおけるインフラ監視
冨井 直弥
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ジャーナル オープンアクセス

2023 年 4 巻 L1 号 p. 3-8

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抄録

JAXAは衛星SARによるインフラ変位監視技術の開発を実施してきた.用いている衛星は「だいち2号(ALOS-2)」である.Lバンド合成開口レーダを搭載しているため,高分解能モードがあり,空間分解能3m,観測幅50kmである.Xバンドに比較して波長が長く,雲・雨・葉の透過度が高い.計測原理は,衛星-地表面の距離変化を2回以上の観測の位相差から相対変位を求める.例えば河川堤防の定期点検は,現在目視にて実施しているが,JAXAは点検前に衛星による一次スクリーニング結果を反映し,変位検出箇所を重点的に目視点検する方法を提案した.また,衛星データを使ってインフラの変位を自動解析できるツールを開発.航空レーザ測量や水準測量と比較して,SAR解析は現地作業・機材準備の必要もない.計測範囲も50km四方まで可能.計測精度はmmオーダである.

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© 2023 公益社団法人 土木学会
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