2024 年 5 巻 2 号 p. 22-32
地方自治体が地域活性化活動に取り組む目的の一つとして,いわゆるシティプロモーション,対外的な認知度や魅力度,評価等の向上があるが,その効果を定量的に把握する手法が十分に確立されておらず,事業を評価する際の課題となっている.本研究では,湧水のまちとして有名な福井県大野市の事例を対象として,水を地域資源として活用した各種取組の広報効果を計測すべく,過去15年間の福井新聞に掲載された記事から,水に関する単語が使われているものを抽出し,水という単語にかかるネガポジ解析を用いた分析を行った.その結果,シティプロモーションの取組の展開状況と,ネガポジ度の数値の推移との間に一定の整合性が確認され,シティプロモーションの成果を計測する手法の一つとして,地方紙の記事を用いたネガポジ解析というアプローチが一定の有効性を持つことが明らかとなった.