AI・データサイエンス論文集
Online ISSN : 2435-9262
富士川周辺地域の土砂災害危険度現況推定におけるデータ選別手法導入の検討
平野 英孝野村 俊介相馬 一義宮本 崇石平 博馬籠 純倉上 健鈴木 善晴西山 浩司
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ジャーナル オープンアクセス

2024 年 5 巻 2 号 p. 33-40

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抄録

近年日本では豪雨による土砂災害が頻発している.それに対し本研究ではがけ崩れ発生の有無について信頼性の高いデータを選別した学習を土砂災害危険度現況推定手法へ導入し,信頼性向上を試みた.全結合型深層ニューラルネットワークを用い,3次メッシュの各セルに,誘因として60分間積算雨量と土壌雨量指数,素因として最大傾斜角度,森林面積,表層地質,地形分類等46項目を入力した.学習・検証,閾値決定には2007年9月6日,2011年9月21日,2011年9月3日の台風に伴う土砂災害事例を用いた.推定実験を2019年10月12日台風19号について行い,行政区域ごとにカウントして混同行列に基づく精度指標を算出したところ,大規模ながけ崩れの見逃しはなく,正解率が先行研究(0.314)と比較して0.614に向上した.

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