2025 年 6 巻 3 号 p. 1015-1026
ダム運用高度化の施策展開は,気候変動で激甚化する豪雨災害への適応と,水力発電の促進という目標 を両立させるハイブリッドダムの推進を軸に進んでいる.その実現の鍵を握るのが流入量予測技術であり,とくに AI の活用が期待されており,本稿では国内外の研究動向を紹介する.AI による流入量予測研究は国内外で活発に進められており,深層学習を中心に様々なモデルが提案され,よい結果が得られていることが示されており,低頻度,未経験事例への対応,深層強化学習,不確実性,モデルの一般化,融雪期の予測といった多角的なアプローチが試みられている.一方で、未経験洪水の対応強化,予測の不確実性評価,深層学習のようなブラックボックスモデルの因果関係の解釈が課題として挙げられている.