2025 年 6 巻 3 号 p. 957-965
維持管理において橋梁のたわみ計測は重要であるが,長期のたわみモニタリングは一般的に困難であり,加速度計測からたわみを求める手法が用いられることが多い.しかし,計測ノイズや数値積分誤差などの 影響で十分な精度を確保することは難しい.そこで.加速度から数値積分した速度応答に対し波形処理を行った後,たわみを算出する方法を検討した.ノイズ低減は,加速度応答に対しハミング窓,速度応答に対し連続ウェーブレット変換による基線補正,ローパスフィルタを適用した.基線補正においては,多目的最適化によるパレート解を機械学習することで回帰モデルにより決定した.さらに,速度波形の対称性評価指標を導入し,変位誤差の除外を計った.その結果,加速度応答から算出したたわみは,多くの場合変位計で計測した変位を精度よく求めることができ,誤差が大きい場合でも 0.05mm 以内の差に収まった.