2026 年 7 巻 1 号 p. 1-19
従来のモデル駆動型アプローチとデータ駆動型アプローチ(機械学習)には,それぞれに一長一短がある.そこで筆者らは,両者の長所を相補的に融合した新しいアプローチの必要性に問題意識を持ち,シミュレーションベース機械学習の研究に取り組んだ.これまでの主な成果としては,「シミュレーションを深層学習で代替(シミュレーションの高速化)」「物理法則に忠実な深層学習の実現(AI for Science)」「複雑な数理モデルを深層学習で解く(数値(離散)解法から連続解法へ)」が挙げられる.ここではそれらの概要を紹介する.深層学習は,生成 AI に代表されるように,end-to-end 学習で様々な応用分野が用いられてきているが,今後は Backpropagation(BP)の自動微分を生かして,ODE や PDE の学習・求解などへのさらなる発展が見込まれる.