2026 年 7 巻 1 号 p. 48-63
観測データとシミュレーションをつなぎ合わせるデータ同化技術を中心とした予測科学の研究を推進し ている.30 秒更新の超高速天気予報システムを世界で初めて開発し,2021 年東京オリンピック・パラリン ピックでの実証実験を経て,2025 年大阪・関西万博では 30 分前からのゲリラ豪雨予測に成功した.理論 面では,カオス系におけるデータ同化と制御を統一的に扱う数学的枠組みを提示し,気象制御への応用可 能性を示した.さらに,データ同化と AI・機械学習を組み合わせた新たな手法の開発にも取り組む.データ同化技術は,気象予報のみならず,海洋環境,赤潮予測,森林生態系,COVID-19 の実効再生産数推定,細胞間力の逆推定など,多様な分野に応用されている.