2026 年 7 巻 2 号 p. 209-216
近年,少子高齢化や都市への人口集中に伴い,寺院による墓地管理は属人的かつアナログな手法に依存し,継承や維持が困難となり,墓の放置が深刻化している.本研究では,既設墓地を対象に,3 次元形状と属性情報を統合するBIM の概念に基づき,写真測量に基づいた墓地全体の3 次元データ化とスマートフォンで取得した3 次元データを逐次更新可能とする管理手法を提案する.点群のセマンティックセグメンテーションによる墓石領域抽出と,PCA およびICP を組み合わせた自動位置合わせにより,専門知識を要さない更新プロセスを実現した.実データによる検証の結果,再現率95.4%で墓石を自動抽出し,ノイズレベルと同等の精度で更新データとの統合が可能であり,持続的な墓地管理基盤としての有効性を示した.