AI・データサイエンス論文集
Online ISSN : 2435-9262
鎖状群体を形成する藻類の検出のためのインスタンスセグメンテーション手法の提案
阿部 真己藤田 悠作栗原 颯大
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2026 年 7 巻 2 号 p. 217-225

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抄録

顕微鏡観察による藻類の個体数計数は環境調査や水道の水質調査などで必須となる基礎的な調査手法である.このような検鏡作業にAI を適用して計数作業を自動化することは,(a) 調査を行った組織や個人による評価ぶれの防止,(b) 当該作業の省力化,(c) これまでにない規模や頻度での調査による新たな科学的発見への貢献など多くのメリットが想定できる.一方で,藻類を対象にした画像解析には様々な技術的な難しさがある.特に本研究では,鎖状群体を形成する比較的サイズの大きな藻類の群体が複雑に絡み合う中で,群体の数とその大きさを的確に計数できる手法の新規提案を試みたものである.鎖状群体でも特にらせん状の群体を形成するタイプのものが複雑に絡み合う場合に特に着目し,群体数,各群体の巻き数,各群体の長さを適切に評価できる手法の実現を目指した.見た目の特徴がよく似たらせんが絡みあう中での物体検出は古典的なインスタンスセグメンテーションやSegment-Anything モデルのような比較的新しい手法でも困難であったため,本研究ではDINOv2 と物理AIの一つであるDeepONet を融合させた本課題に特化した独自のベンチマークとモデル実装を行った.古典的なインスタンスセグメンテーション手法としてMask-RCNNを選定し,当該ベンチマークにおいてMask R-CNNのMask IoUは0.33であったのに対し,提案手法では 0.75 まで大幅に改善できることを確認した.

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