インフラメンテナンス実践研究論文集
Online ISSN : 2436-777X
B.技術とプロジェクト
多数アンカー式補強土壁の補強材診断技術の開発
林 豪人伊藤 友哉小浪 岳治
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2022 年 1 巻 1 号 p. 226-231

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抄録

 補強土壁の主要な構造部材の一つである補強材は土中に埋設されており,その損傷,破断,過緊張等の異常を外観から確認することが容易ではないことが,補強土壁の維持管理上の課題となっている.そこで筆者らは補強材の診断を可能とするため,多数アンカー式補強土壁の補強材の一端を壁面の前面に突出させる構造を有する補強材診断対応型壁面材を開発した.その壁面材を実現場の多数アンカー補強土壁に適用し,実際に部材として機能している補強材を対象として衝撃弾性波法,超音波探傷及びリフトオフ試験を実施し,複数年に渡って補強材の破断や張力の計測を行ってきた.その結果,各計測手法には適用限界があり適切に使い分ける必要があるものの,補強材の状態を壁面前面側から診断することが可能であることが分かった.

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© 2022 公益社団法人 土木学会
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