インフラメンテナンス実践研究論文集
Online ISSN : 2436-777X
A.担い手と体制
山陽新幹線トンネルにおける覆工剥落対策の取り組み
濱田 吉貞藤井 大三鎌田 和孝
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2022 年 1 巻 1 号 p. 26-34

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抄録

 1999年6月に発生した山陽新幹線トンネルからの覆工コンクリート塊剥落事象は,新幹線鉄道の安全にかかわる大きな社会問題として取り上げられた.これを契機として,運輸省(当時)では鉄道土木構造物の検査体系を定めるなど,鉄道事業者が行うべき構造物の維持管理のありかたが整備されてきた.一方,西日本旅客鉄道株式会社(以下,JR西日本)では,この事象の反省を踏まえ,重大な覆工剥落を再び発生させることのないよう,トンネル覆工の入念な検査や修繕対策に取り組んできた.また,取り組みの中で蓄積された膨大な検査記録やデータを振り返ることで剥落リスクの傾向を明らかにし,行うべき対策を検討し実施してきている.本論文は,その一連の取り組みをまとめ整理したものである.

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© 2022 公益社団法人 土木学会
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