2022 年 1 巻 1 号 p. 394-401
今後の人口減少,少子高齢化により,労働人口の減少は熟練を有するインフラ点検技術者の不足を招くことは必至である.さらに点検技術者の減少と反比例して構造物の老朽化が加速している.限られた予算,技術者で効率的に最適な維持管理を進めるためには,構造物の状態を把握する基盤となる点検・調査データの品質向上および定量化は重要な課題である.
社会インフラ診断技術として従来から打音検査は広く利用されているが,打音検査の手法および判定は点検員の主観と経験に基づいている.本研究では点検員の経験や技術に左右されずに正確に損傷箇所の抽出が可能な技術開発を目的とし,打音検査の実証実験を行い得られた判定結果を検査実施者の年代や経験年数ごとに分類,整理した.これによって,新技術への適応可能性について課題を整理した.